最終ではありませんが、参考までに載せておきます。
《メリー・ウィドウ》 日本語台詞台本
暗転中 ハンナ板付
チーン…(効果音・仏壇の鐘みたいな音?)
舞台に一条の光が差すと
グラヴァリ氏の遺影が浮かび上がる(スポットライト・プロジェクタ映像/グラヴァリ氏)
喪服に身を包んだハンナが遺影に向かってすすり泣いている
ややあってハンナ、人生を前に進める決意の面持ちで客席を振り向き。(暗転)
舞台灯~パーティ灯 (映像は国王の肖像画)
イントロが始まると同時にコーラス入場
M 《1.Introduction.》
ソロの途中で→国王の肖像画映像を仰ぎ見る
歌の終了時に、一同礼(男性は右手を前にして左足を下げ、頭を下げる。女性は膝を曲げて軽くかがむ)
→ そのポーズのままフリーズして動かない
ハンナ上手へハケる
シオン: 「皆さま!フランスはパリ、ポンテヴェドロ公国大使館荏原派出所へ、ようこそ
お越しくださいました!
一同:フリーズから解かれて身体を起こす
本日は我が国王陛下のお誕生日をお祝いするパーティが催されています。
申し遅れましたが、私の名はシオン!この大使館の書記官の秘書の見習い
を務めております!」
合唱男①森一雄:「お招きに預かり光栄です!」
合唱女②杉本: 「国王陛下はどちらに?」
シオン: 本日陛下は…飛行機の都合でご欠席です!
全員:うなずく、残念そうに
合唱女③米倉: 「まあ!では大使閣下は?」
シオン: 「閣下は…れーのはやり病で…ご欠席です!」
全員:おやおや顔
合唱女④波形: 「ということは奥様のヴァランシェンヌさんも…」
シオン: 「当然ご欠席でございます…というわけで皆さま!
どうか最後までごゆっくりお楽しみください!」
合唱女声~下手に退場(優雅な姿勢で)
(後方のライト落とす)
合唱男性~その場に残って、シオンの独り言を聞くそぶり
シオン: 「お腹痛くなってきた…着任 1 か月の僕には荷が重すぎる!!!
しかもこんな時に限って本国から電報が…なになに
『この度、我が国の国家予算を揺るがすほどの大金、5 億 7863 万とんで 5 フランが、
とある未亡人の再婚相手如何により、国外へ流出する運びと相成った。
何としても再婚相手はポンテヴェドロ人とすること
方法は現場に一任する。以上』
つまり今夜の僕のミッションは…国家存亡の危機を救う事!!!」
合唱男⑤古田: 「ということは大金持ちの銀行家グラヴァリ氏と結婚して」
合唱男⑥大山: 「未亡人になったハンナ・グラヴァリ夫人が」
合唱男⑦仁林: 「今ここ、パリはポンテヴェドロ大使館荏原派出所に」
合唱男全員: 「やって来る!!!」
M《2.Entree-Lied der Hanna》 ハンナ登場の歌
前奏の間に定位置に並ぶ(そわそわ)→ハンナが登場~舞台前方に広がる
シオン: (曲が始まったら)「マズい!グラヴァリ夫人の登場だ!誰か!助けてくださーい!」
合唱男⑨清水: 「グラヴァリ夫人!5 億 7863 万とんで 5 フランもの大金を持った銀行家と
結婚した途端に」
合唱男⑩佐伯: 「その銀行家がポックリ逝ったってホントですか!?」
ハンナ: 「ええ!そりゃもうポックリ!」
全員: (どよめく)
助演①: 「ポ、ポックリ!!!」
シオン: 「グラヴァリ夫人!皆さま!どうぞあちらにお飲み物を用意させて頂きました!」
ハンナ: 「あら!ありがとうございます!(上手へハケる)」
全員: ハンナと一緒に上手へはける
シオン: 「マズい…お腹痛い…伯爵…伯爵はどこだ?ダニロヴィッチ伯爵!」
ダニロ: 「呼んだか?」
シオン: 「伯爵!もーどこ行ってたんですか?大変だったんですよここまで…ってうわ!酒くさっ」
ダニロ: 「俺は一滴も飲んでなーい!」
M《3.Auftrittslied.》ダニロ登場の歌
※前奏中台詞
ダニロ: 「エントリーナンバー4 番・ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵歌います!」
ハンナ: (曲中イン)
ダニロ: 「ハンナ!!!!!あ、いや…グラヴァリ夫人…お会いするのは随分お久しぶりですね」
ハンナ: 「ええ、本当に」
(ぎこちない二人)
ダニロ: 「私を、お振りになって以来…ですか…」
ハンナ: 「あら!ご両親の反対を押し切れなかったのは伯爵さまのほうでしょう?」
ダニロ: 「だからって、年寄りの銀行家と、なにも結婚までしなくたって!!!」
ハンナ: 「伯爵…人目が…」
ダニロ: 「…これは失礼…いやしかし驚いた!まさか貴女もパリにいらしてたとは」
ハンナ: 「あ~ら白々しい!貴方も私の財産をお狙いじゃなくて?」
ダニロ: 「ハンナ!?」
ハンナ: (遮って)「貴方は言わないの?他の男たちみたいに…私に、愛してるって!」
ダニロ: 「…い、言わない!…絶対言わない!」
ハンナ: 「いいでしょう!それじゃあ宣戦布告ね!」
ダニロ: 「宣戦布告って、僕に愛してるって言わせるってこと?いいでしょう!受けて立ちます!」
ハンナ: (手袋を口で外し投げつけ去る)
ダニロ: 「だーれが軽々しく言うものか!愛してるなんて!」
(下手のカゲから助演の声)
助演①: 「愛してる!!!」
ダニロ: 「軽ッ!!!」
助演②: 「愛してる!!!」
助演③: 「愛してる!!!」
助演④: 「愛してる!!!」
助演①: 「ハンナさ~ん!」
助演②: 「どうかお手を!」
助演③: 「いや僕に!」
助演④: 「いや私に!」
舞台中央にたたずむ二人
シオン: 「ダニロヴィッチ伯爵!結婚してください!!!」
ダニロ: 「…ごめんなさい」
シオン: 「…違いますっ!そういう話じゃありません! ハンナ・グラヴァリ夫人とです!」
ダニロ: (急に真顔になり)「それだけはお断りだ!」
シオン: 「そんなこと言ってる場合ですか!本国から電報が…
(電報を渡す)国家存亡の危機なのです」
男声入場 (上手から)
M《4.Finale Ⅰ 》 フィナーレ 1
女声入場 (下手から3列で) ハンナのソロ~返事はただ~のあたりで入場
お願いしますわ~ のあと、きゃー!とダニロを囲む
ダニロはそっと抜けて下手に逃げる
女声上手と下手に分かれて退場→上手のアルトは裏の通路を通って下手に移動し、下手袖に2列に並ぶ
シオン: (曲が始まったら)「マズい!踊りが始まってしまう!ハンナさんと踊ってくださいよ!」
「これは国家命令ですからね!」
ダニロ: 「お断りだ!」
(ハンナ戻って来る)
ハンナ: 「ダニロヴィッチ伯爵!何か私に言いたいことがあるのでは?」
ダニロ: 「別に…休憩かと思っただけで…」
ハンナ: 「え?」
ダニロ: 「いや…なんでもない…」
ハンナ: 「…何よ、もじもじもじもじもじもじもじもじ!貴方って人は昔からそう!
肝心な時ほど口を閉ざすんだから!騎兵姿の時は、あんなに格好良かったのに!」
ダニロ: 「そう?そんなに格好良かった?じゃあ、そろそろ攻めに転じてみるかなッ!?」
M《5.Duett.》騎兵隊のマーチ (照明 変色)
ダニロ:(曲中)「だあーれがまぬけな兵隊さんだ!君はオレのことをなあーんにも
わかっちゃいないんだな!」
ダニロ: 「ハンナ?ハンナ?…いないのか…はあ…まさに間抜けな兵隊さんだな…」
あ~あ…女心ってのは全く難しいもんだ…
男達: (口々に)「女心っていうのは…さっぱりわからない…」
といいながら、真ん中まで歩いて行き、ダニロと目が合う
ダニロ・男達: 「あ…さっきはどうも…」
合唱⑪森谷: (深いため息をついて)「なんだなんだこの体たらくはだらしない!
君たちよりちょっとばかし多くを経験した私には、ひとつだけわかったことがある!」
男達: (口々に)「なんですか?」「なになに?」「教えてください!先生!」「師匠!」
合唱⑪森谷: 「女心は…全く…わからない!」
BISが始まったら、女声はこっそり下手から2列で入場。BISの途中で歌唱
M《6.Marsch-Septett.》女、女、女
ハンナ:(途中でイン)
振付け?(ボックスの踊り?)盛り上がって終わり
女声上手と下手に分かれて退場
男達: 「只今より15分間の休憩を頂戴致します」
(舞台暗転)
ー休憩ー